曹洞宗 宮城県宗務所 十四教区(登米支部)

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萬寿山 長照寺

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萬寿山長照寺は、登米郡の西端、水鳥の飛来地で有名な伊豆沼・長沼・内沼の湖沼群のある迫町新田にある。

創建当時の趣を残す山門を入ると正面やや右手に、樹齢三百年を越す銀杏とカヤの大木がある。左手には、十王堂と古来呼ばれているお堂がある。十王像は現存していないが、以前は他のお堂にまつってあった子安観音・秋葉権現・白山権現尊像等の諸像が安置されている。

本堂は、昭和六十二年、十七世大幸代に新築されたもので間口八間半、奥行き七間半。ご本尊は釈迦牟尼佛。本堂西室中の間には当寺開創の頃からのものと伝えらえる延命地蔵尊が安置されている。また、本堂奥には、開山・位牌堂がある。

本堂に向かって左手には衆寮(現在は納骨堂として使用している)があり、右手に庫裏、庫裏正面には、平成九年にできた長照寺檀信徒会館「照雲閣」がある。

この地方に伝わる「名所長沼八景」という句碑の一番に

   長々に照る日もあかぬ釣小舟
      いさやかへらん入りあひの鐘(長照寺晩鐘)


と詠まれており、境内は長沼西端の入り江(現在は干拓されているが)を見下ろす丘陵地にあり開山以来今日まで三五〇余年間、新田の地域農民と苦楽を共に生きてきた寺である。

 

当山の沿革

永宝4年(1676年)佐沼落城記に「日近山長松寺 瑞光寺国峰和尚弟子梵春、新田村山居ノ寺へ住持ス。彼ノ寺正保(元)年中依リ、為他領、同村畑中新寺住待スト」とある。
慈眼寺が大町家の領地となったため、佐沼津田家二代津田民部頼康は、津田家領地、畑中山に正保元年に新寺を建て、瑞光寺十八世国峰関充大和尚を開山とし、弟子梵春和尚を住ませたとされている。

開山から長松寺と称していたが、六世雲外晋白代の延享二年(一七四五年)十二月三十日に「松」の字を「照」に改字し、長照寺とした。(享保十九年に書かれた月命日帳の裏書きに、「大御前様七月御逝去付寺号文字改字被仰付十二月晦日登仙輪王寺松字改照長照寺六世雲外代延享貳云々」とある。)

文政一〇年(一八二七年)九月に十世玄東天雄代に庫裡を再建した。外に、衆寮・十王堂等も天雄の建立されたものと言われている。(十王堂脇にある小堂は白山権現を祭っていたもので、白山尊像の厨子に「嘉永七年十月七日 天雄代」の裏書きがある。)

明治五年一月から当山を教室にして新田上尋常小学校が開かれ、別地に校舎が建設される明治一七年まで、授業が行われた。

昭和十年四月十六世黙如大真代に鐘楼堂再建、昭和二十七年五月本堂、山門等の屋根をそれまでの茅葺きからセメント瓦に葺き替えた。

昭和三十九年十一月十七世大幸代に、第二次世界大戦中に供出して無かった梵鐘を新たにした。

昭和四十四年十二月に文政十年以来の茅葺きの庫裡を新築。

昭和六十三年一月に総工費七千五百万円で本堂・開山堂を新築。開山以来の本堂は老朽化し、北部地震・宮城県沖地震など幾度かの大きな地震で建物のゆがみがひどくなっていた。昭和六十一年より三カ年計画での檀信徒の浄財寄進のもとに新たに開山堂を加え新築となった。このときご本尊の聖観世音菩薩を遷座し新たに釈迦牟尼佛をご本尊に奉安した。同時期に庫裡を増築した。

平成九年十二月に照雲閣が完成した。十六世代に乏しい寺の財政を支えるべく「養蚕場」として建設された二十坪程の建物があったが、近年は寺の種々の集会や会議場として使用されていた。その建物は老朽化したので、当山護持布教活動を充実させるための集会議場や檀信徒の御先祖供養法事会場として、九十畳の大広間を持つ照雲閣が平成八年より三カ年計画で檀信徒の浄財寄進のもとに建設された。

歴代住職

開山 國峰関充大和尚 明暦元(一六五五)年七月二三日示寂
二世 中興氣仙梵春大和尚 貞享四(一六八七)年三月七日示寂
三世 月海義村大和尚 享保六(一七二一)年一一月二八日示寂
四世 大安湛道大和尚 宝永七(一七一〇)年七月六日示寂
五世 大因益丈大和尚 元文四(一七三九)年一〇月七日示寂
六世 再興雲外晋白大和尚 明和三(一七六六)年二月七日示寂
七世 大梅胤光大和尚 寛政四(一七九二)年二月七日示寂
八世 日東天輪大和尚 文政四(一八二一)年八月二四日示寂
九世 克映天亮大和尚 文政六(一八二三)年七月二日示寂
十世 玄東天雄大和尚 安政五(一八五八)年一一月二四日示寂
十一世 廣天玉峰大和尚 明治三一(一八九八)年二月二九日示寂
十二世 有徳童隣大和尚 明治十八(一八八五)年一〇月二二日示寂
十三世 中興禅有悦定大和尚 大正九(一九二〇)年一月一五日示寂
十四世 龍運雄悟大和尚 大正七(一九一八)年一二月四日示寂
十五世 中興禅有悦定大和尚
(再住職)
大正九(一九二〇)年示寂
十六世 重興黙如大真大和尚 昭和四八(一九七三)年一一月二八日示寂
十七世 再重興昌運大幸大和尚 平成二三(二〇一一)年一月二八日示寂
十八世 現住 大観昭道

(2010年04月10日 投稿)

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